谷川岳 一ノ倉沢 中央稜・・・下越山岳会6月A山行 


気持いい朝 テールリッジ末端 3PフォローNENさん 4Pビレイポイントから 6P いや〜絶景です
衝立ノ頭 北稜下降 矢沢さん コップ状岩壁を仰ぎ見る 略奪点で振り返る さて、どこから乗ろうか?


日 時    平成210627日(土)

参加者    矢沢さん、NEN(石井)さん、L=AI沢さん、担当兼SL=LTQ(私)・・・下越山岳会
行き先    谷川岳 一ノ倉沢 中央稜
天 候    27日 快晴
目 的     岩登り
装 備    岩登り基本装備+夏山日帰り登山基本装備(双方とも最低限度)
登攀用具:ロープ(φ8.5mm・50m×2本を2セット)・ハーネス・ヌンチャク・シュリンゲ類・確保器・下降器・カラビナ、ハンマー・ピトン


時間   その他

6月27日(土)
02:40 自宅発、NENさん宅を経由し集合場所へ
03:00 集合場所に集合出発
05:05 水上IC
05:35 一ノ倉沢出合P着         快晴
05:50 一ノ倉沢出合P発
07:08 中央稜取付着           中央稜を選択・・・朝から非常に暑い
07:38 中央稜取付発           登攀開始
12:15 終了点               食事
12:50 北稜下降開始
14:15 コップスラブ
15:15 略奪点               コップスラブを渡り、踏跡に入ったところで、ハーネスを脱ぎ、ガチャ物を片付け沢水を飲む
16:00 衝立前沢から雪渓へ       衝立前沢下部1ヶ所でロープを出してゴボウで降りた。
16:18 一ノ倉沢出合P着         OIIさんの出迎えを頂く。
20:20 集合場所で解散         湯テルメで入浴、「みなかみ家」でラーメンを食べて帰途につく。




概略
下越山岳会として、昨年9月の幽ノ沢V字右ルートを1回目の岩登の会山行を行ったが、昨年に引き続き2回目を行った。当初L=AI沢さんが、悪天候で作業進行の遅れから出張先からの帰宅が遅れそうとなったので、矢沢さん、NENさんとボクの3名でルートを南稜として行うつもりだったが、どうにかLが前日の26日夜に帰宅できる。と連絡を25日に連絡を貰い、急遽、AI沢さんを含め4人2パーティーの登攀、行き先は南稜か中央稜の空いている方としたものへ、会への計画書、指導センター提出の計画書を書き直して、会長に届けて指導センター提出書類に印を貰い準備を整えた。

記録

6月26日(金)
慌しく、計画書を書換え会長に届け指導センター提出書類に印を貰い準備完了。夕方になり用事が何件か急に入りバタバタした。AXLに電話をして状況を聞く。今日は中央稜を登ったとのこと。ヒラビなので誰もいない静かな日和だった。とのこと。
自宅に帰り食事をして、あとは朝早いので早々に寝るつもりが、「必殺仕事人」が最終回なのでついつい観てしまい寝るのが遅くなった。(笑

6月27日(土)
朝というか夜中に起きだして、NENさん宅を経由して集合場所へ。定刻に集合出発。
新潟を過ぎて三条・燕あたりを通過する頃には、明るくなりはじめ、好天を予感させる。ここのところは、天気は大丈夫だろうか?と言う日に出かけていく天気のめぐり合わせだった。

水上のコンビニで行動食等を購入し、指導センターに計画書を出す。計画書入れには何だか沢山ありそう・・・・混むのかな?
と思いつつ一ノ倉沢出合P着。多くの登山者は出た後のようで、車はあるけどあまり人はいない。カメラマンも陽が上がり、仕事仕舞いで帰途につく感じだ。

2週間で随分雪が減っている。次回来る時はヒョングリの滝は高巻きとなるだろう。テールリッジをひと登りすると前の2人組に追いついた。行き先を尋ねると、南稜・・・・なるほど・・・・
ここまでで、大汗をかいた。先行者をパスして先に出て松の木の少し下で給水。
後から別の2名も到着。暑い暑いを連発。行き先は「変チ」とのこと。南稜テラスには、順番待ちが少し溜まっているようだ。中央稜は3名1組が既にとりついて2ピッチ目に入っていった。

Lから、「中央稜にしよう。」で中央稜に決定。事前に南稜のルート図を渡していたので、矢沢さん、NENさんはイメージトレーニングが無駄になったかもしれませんが、そのうち南稜も行きましょう。


登攀準備をしてパーティー分けを決める。

先発はAI沢=矢沢パーティー
次発がボク=NENパーティー

先発パーティーは核心的なピッチ(3・4)はAI沢さんリードで他のピッチは基本的にツルベ。
次発は基本的にボクがリードで、可能でありそうなピッチをNENさんにリードして貰う。という形式で行く。

1P目(45mW)先発 AI沢・次発 ボクのリード
そうかなぁ〜W級かなぁ、随分簡単に見えるけれど?
逆層気味だけど階段状のフェースを調子こいて登るが、ホールドもでっかいガバが多くて何でこれがW級?という感じだけど後半少し難しくなるけどW級というのはどうだろうか?

2P目(25mU)先発 矢沢・次発 NENのリード
数メートルのトラバースで、烏帽子沢奥壁側に廻り込み、ルンゼを登るが、土砂の詰ったところであまりルンゼという感じではない。でも、案外というか、かなり浮石が多くU級というには少し厳しいか?ここも、屈曲が入るのでコールは聞きにくい。
奥壁側がよく見える。中央カンテにいるのは、AXLとKonchangか?

3P目(25mV・A0 W+)先発 AI沢・次発 ボクのリード
最初の数メートルで奥烏帽子側から衝立側に戻る。この数メートルが緊張感があるが、落ち着いて行けば大丈夫だ。ただ、ルートが最初のトラバースでラインが屈曲するのでコールが聞こえないようだ。

4P目(25mW・A0 X)先発 AI沢・次発 ボクのリード
出だしはナンともないピッチだが、後半カンテ状のフェースかチムニーのどちらかを攀じビレーポイントとなる。
どうみても、フェースより、チムニーがいい感じがする。AI沢さんもチムニーに入っていくが、少しバタついている。やはり、X級なんだろうな。と思う。
実際、チムニーでバック&フットでずり上がりたいが、外足の決まる場所が案外高く、押付けは効くけれどなかなか身体が上がらない。足の下はスッパリと切れていて高度感満点。
何とかズリ上げて体勢を変えて、手のホールドを探るがナカナカ厳しい。
2度身体が10センチ位ズリ落ちる。これは、何とか手ではなく、上腕の皮膚のフリクションで止めた?止まる。
悪い体制でランナーを取りまあ、チョい安心してホールドを探る。ホンの少し無理して身体をズリ上げるとガバがあり核心を抜けた。
ここまで来て、眼下に広がるのは衝立、烏帽子の両スラブとそれを分けるテールリッジ。なかなかの高度感だ。
このピッチで、核心部は通過だ。

5P目(25mV)先発 矢沢・次発 NENのリード
階段状の草付きだが、浮石が多く難しくはないが気を使う。誰かが落とした小石にラクの声。ボクのヘルメットにあたりコ〜ンと飛んで行った。ボクも「ら〜く」のコール。

6P目(40mV+)先発 AI沢・次発 ボクのリード
凹角からピナクルの上に出てクラック混じりのフェースを登る。待っている間、何だかAI沢さんがブツブツ言っている。ナンダロウ?
後で聞いたらビナが足りなくなって怖かった。とのこと。
実際、40mピッチなのだが、V級なのでタカ括っていたけど、抜群の高度感でV級と思えない感じだ。フットジャムを交えないともっと難しく感じると思う。フェース面はフリクションの効きにくい岩質の様だ。

7P以降は草付きのU〜V級なのでツルベやら、なんやら適当に進む。最後は衝立の頭を右に巻いてルンゼというかガリーを詰めて終了点。

4ピッチ頃から空腹感が強くAI沢さんと「メシ早くしたいね」と話していたので、安定した場所で即メシタイム。
腹を満たして相談。
LのAI沢さんは、懸垂のツルベでロープ4本で降りるとスピーディーだね。というが、SLのボクはイヤイヤ、登攀の緊張感から開放され些細なミスが出るといけないので2本のロープを繋いで、4人でワンセットのロープで降りましょうと、進言。

Lは大丈夫だろ〜というが、まあそういわずに、慎重に降りましょう。とボク。
少しは言い訳の通りだが、使用ロープ4本の内、ボクのロープの中の1本が今日下ろしたてのロープがあったので、
下ろしたてで谷川の懸垂の洗礼は少しイタワシイ。察して頂けたか、んじゃ〜4人でワンセットで降りよう。
となり、ホッとした。口ではロープは消耗品でしょう。と言いつつ、買ったばかりのロープが回収時に引っかかり数人がかりで
引け引け〜それぃ〜
エイエイオ〜♪それ!もう一丁!の勢いでムリムリ引かれたら余りに悲しい。

北稜の懸垂ポイントまで行くと、ピカピカのラッペルステーションが設置してある。
美しい・余りに美しい〜感動的だね。でも、それ以降の各懸垂ポイントはやや怪しい感じがしないでもない。まあ、今日の明日のということではないが、懸垂支点の崩壊は全ての懸垂システムの破壊なので厳しい結果となるので、懸垂支点をどう考えるは使用者責任だ。

北稜を3ピッチ降りて草付きの踏跡を辿り20m位の急な踏跡と露岩の部分を1本懸垂する。更に下ると10m位の小懸垂。懸垂ポイントの支点になる紅葉の樹が少々頼りない。人がロープでぶら下がるとやや根の部分が浮く感じがするが、樹も青々していて静加重なら大丈夫だよと言い聞かせる。

さて、空中懸垂で広いテラスというかコップスラブへ。
少し下り、一段下がるために、20m位の少し空中懸垂を含む懸垂でコップスラブに。
落石も嫌なのでさっさと下る。コップスラブをから踏跡に入り小さな岩溝近くの安定した場所でガチャを仕舞、岩溝の流水をゴクゴク飲んだ。

略奪点から振り返るとヨクヨクあんな遠くからと思う。衝立前沢に入り急なゴーロ帯を下る。いい加減飽きてきた頃、少し嫌なところにでた。観ると、リングボルトにステンレスリングが付いている。ロープを通して、ゴボウで降りた。後の考えどころは、雪渓への乗り場所だけ。ヨクヨク観れば、いい所にステップがあり難なく通過あとは駐車場までまっしぐら。

出合に戻ると、OIIさんの出迎えを頂いた。
そして冷たい果物を頂きました。

ガチャ物の整理をして湯テルメに向かい入浴。会長に下山連絡。AXLから電話が入っていたので電話すると、南稜に姿が見えなかったが?と心配頂いたが、中央稜に変更した旨伝える。水上インターにほど近い、ラフティングとか何かをしている、「ビッグウエーブ」の施設内のラーメン店「みなかみ屋」でラーメンを食べて一路新発田へ向かう。
塩分とカロリーを消費した身体にシミわたりました。でも、山登りの後でないと塩っぱくねえかなぁ?
ボクは味噌ラーメンを食べたけど、麺は食べ応えのある太麺、スープは結構コッテリで、油脂に負けない味噌(塩分)があるんじゃないかな?・・・・アッ、別に悪いってんじゃなくて、ヤマの後は美味しい塩加減と麺の食べ応えですな。


道中、NENさんから、今日出来た事、出来なかった事について様々な感想をお聞きした。
悔しいという気持がある以上、向上が可能なのだということをボク自身感じました。

NENさん本人は嫌がりますが、岩登りを始めた年齢を超えた気持の強さを感じました。
本当にお疲れ様でした。NENさんの折れない気持の強さを多分、中央稜のカミサマは受け取ってくれたのではないでしょうか?

集合場所で解散。

会山行として2回目のルートクライミング、いわゆる本チャンでしたが各自の練習の成果と集中力で事故無く終えることができました。クライミングの技術が山登りの幅を広げてくれることと思います。
若手の参加も期待しています。

また、OIIさんはご多用のなか、出迎えを頂き本当にありがとうございました。
お気遣いいただき心より御礼申し上げます。

また、会山行としてクライミングを2年連続で取り上げていただいた会に感謝致します。
ありがとうございました。

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